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家族でも生徒でもない“こども”と、親でも教師でもない“おとな”が、“あそび”の中で出会い、気負わず楽しく居合わせる機会づくりに励む「こりれいず」。 代表のす〜さんが、活動や日々の出来事、思いついたことなどを羅列しています。どうぞ、 おつきあいください。 活動の予告・報告は Instagram(@korireizu) Facebook (@こりれいず仙台) でも確認できます。

2007

0327
Kさんと素敵な仲間たち(もちろん、正式な団体名は他にある)を迎えての子ども囲碁を無事に終えた。

突発的、かつ、予算ゼロでの開催にも笑顔で応えてくれた、Kさんとお仲間に、まずは、感謝! 
そして、思いつきで動いてしまった今回の催しに、年度末の超多忙な中でご協力いただいた児童館職員のみなさんにも、感謝を。

さて、正味90分程度の子ども囲碁。当日の状況は...

Kさんたちの紹介もそこそこに、「(碁石を持ったことすらない子どもでも)5分あれば大丈夫」との言葉通り、碁石を置ける場所の説明と、相手の石のとり方を教えた後は、長々と説明せずに、さっさとゲーム(試合)開始。

まずは、会場にいる全員が2手に分かれてのチーム対抗戦。その後に、各自の目の前の碁盤を使って個人の対抗戦となる。

ルール説明に始まる子ども囲碁教室。なるほど、こんな風に進めるのかと感心(関心も)しきりだったのだが、もっとも印象的なシーンは、チーム対抗戦の最中に訪れた。

2グループに分かれてひとつの盤で対戦する子ども達。どの子も、比較的、早いペースで石を置いていく。そのとき、ひとりの女の子が、長考を始めた。

どこに自分の石を置くことがベストな一手となるのか。実のところ、それは明らかでチームメイトの子どもたちも、どうしてサッサとその場所に石を置いて戻ってこないのか、とばかりにざわついている。相手チームの子たちは、そのまま園子がベストポジションに石を置かないように、ただひたすら急かしながら心の中で祈っている。

待つこと10分くらいだろうか? 味方もあきれて騒ぎ出す。「どうしてあそこに置かないんだよ!」。開始前に石を置く番の子に教えてはいけないと言われていたので、余計に彼らもイライラが募る。

Kさんは、急かすでも、短絡的なヒントを与えるでもなく、ただ傍らで待ち続けている。

本当に終わるのだろうかと思うくらいの時間が過ぎた頃、彼女は自分の渾身の気持ちを込めた一手を指した。

彼女は、誰もが認める最善の一手を指して、Kさんをチラリと見ながら自分の席へと戻っていった。、もちろん、彼女は待たせた友達やKさんに謝るようなことはしなかった。だって、その長い時間、彼女は誰よりも必死になって考え抜き、闘い続けていたのだから。謝るようなことは何一つしていないのだから。もちろん、Kさんも、そんなことを求めたりはしない。

その後、何事もなかったかのように対戦は続き、決着がついた。どちらのチームが勝ったのか、実は自分は覚えていない。

ただ、傍らでじっと待ち続けるKさんの姿だけが、鮮明に今も記憶に残っている。

じっと待つ、ひたすら待つ。そのことで、何かが起きたわけでも、何かが変わったわけでもない。ただ、その姿勢こそが、きっと求められていることなのだろう、と感じるには充分な出来事だったと思う。
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